AIを使えば誰でもプロ? いや、その前に「基礎」が要る。

AIを使えば誰でもプロ? いや、その前に「基礎」が要る。

「AIがあれば、もう技術なんて覚えなくていい」

最近、そんな話をよく聞きます。

文章も書いてくれる。画像も作ってくれる。プログラムも書いてくれる。ホームページだって、お願いすれば数秒でHTMLを吐き出してくれる。

すごい時代です。

でも、DXおじさんは思うのです。

そのAIが出してきたもの、本当に理解できていますか?

AIは「応用」から平気で話し始める

AIは優秀です。しかし、親切な家庭教師とは限りません。

こちらが「ホームページを作って」と言えば、HTML、CSS、JavaScriptを組み合わせて、それらしいものを一瞬で出してきます。

ところが、基礎を知らない人がそれを見ると、何が正しくて、どこが危ないのか判断できません。

わからない言葉をAIに聞く。

すると説明の中に、また知らない言葉が出てくる。

その言葉をさらにAIに聞く。

すると、また新しい専門用語が現れる。

用語を調べるための用語を、さらに調べる。

気づけば、知識の迷路です。

AIを使っていたはずなのに、いつの間にかAIに振り回されている。そんなことが実際に起きています。

私はHTMLを手で打っていた

私は、HTMLを一行ずつ手で書いてホームページを作っていた時代から、この世界にいます。

タグを書き間違えれば表示が崩れる。カッコを一つ閉じ忘れれば動かない。今のように、きれいな画面を見ながら簡単に作れる時代ではありませんでした。

その後、ホームページ・ビルダーが登場し、WordPressが広がり、ホームページ作りはどんどん簡単になりました。

それ自体は、すばらしい進歩です。

ただ、いつの間にか「WordPressを操作できること」が「Webデザインできること」と同じ意味で語られるようになりました。

いやいや、ちょっと待ってください。

WordPressは便利な道具です。Webデザインそのものではありません。

包丁を使えることと、料理人であることが同じではない。それと一緒です。

AIでHTMLを出せても、読めなければ直せない

そして今、AIの登場によって、誰でもHTMLを出せるようになりました。

「ここを赤くして」
「スマホでも見やすくして」
「お問い合わせフォームをつけて」

頼めば、それらしいコードが返ってきます。

でも、少しレイアウトが崩れたら?

フォームが動かなかったら?

AIが、もっともらしい間違いを混ぜていたら?

基礎がなければ、どこを確認し、何を直せばよいのかわかりません。AIに修正を頼み、別の場所が壊れ、またAIに聞く。これでは主導権を握っているのが人間なのかAIなのか、わからなくなります。

基礎がある人にとって、AIは強力な相棒になる

誤解してほしくないのですが、私はAIを否定しているわけではありません。

むしろ、こんなに便利な道具は使わないともったいない。

基礎技術がある人は、AIの回答を見た瞬間に「なるほど、そういう方法があるのか」と理解できます。間違いにも気づけます。知らなかった部分だけを補完し、自分の経験と組み合わせて、新しいアイデアに変えることもできます。

基礎があるから、AIの出力を材料にできる。

基礎がないと、AIの出力が答えに見えてしまう。

この差は、とても大きいのです。

AI時代だからこそ、基礎を学ぼう

AIが進化すればするほど、人間に基礎は要らなくなる。

私は、逆だと思っています。

AIが高度な答えを一瞬で出す時代だからこそ、その答えを理解し、選び、直し、責任を持つための基礎技術力が必要です。

AIは魔法ではありません。

優秀だけれど、たまに自信満々で間違える部下のようなものです。

指示する側が何も知らなければ、確認も判断もできません。

だから、まず基礎。

地味でも、まず基礎。

AIを使うことが目的ではない。AIを使って、自分の仕事を前に進めることが目的です。

そのハンドルだけは、AIに渡してはいけません。

――DXおじさんの戯言
https://ku-fu.jp/topics/

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